僕は一本くらい失敬してもわからないような馬鹿でかいワインセラーからも決してちょろまかしたりせず、メイドの誘いにものらず、襟を正して他人様の豪邸を拝見する日々を重ねたのである。そういう家を作りたいのである。日本のどこかにね。そして次の夢は、風景のある街を作ることにつきる。それは、自然のしたたかさが強すぎず、人間の愚味さが聞こえない住宅地。いつでも人々の疲れをたおやかに飲み込んで遠いけい思い出を歓迎してくれる、言い換えれば、なごめる街並。
JR東海道本線(尼崎)の中古マンション
下関市の中古一戸建て
小金井市の中古一戸建て
栃木市の中古一戸建て
足利市の中古一戸建て
こんなのを是非また作ってみたいのである。以前、まあまあのやつを手がけたことはあるのだが……。道路は広く、歩道はたっぷりと、街路樹の植え方はまっすぐじゃなくって。ちょっと波状に変化をつける、この方が人間的なのである。宇宙に直線などないのだからね。海と風の音がかすかに耳元に届き、やわらかな陽射しがひたむきにふりそそぐ。それぞれのフロントガーデンは、統一されてはいるが、その中に自由がある。ブロンズの置き物を立てたり、白いベンチを並べたりね。晴れた日に散歩をすれば、太陽の匂いがして、小雨混じりの日中は、パインとシダーの香り。ほのぼのとして。こんなのは美に目覚めた役人がむさぼるように取り組まなければ、現実としては無理だろうとは思っているけれど、もうそろそろ、そのときがきているような気がするのだ、日本っていう国はね。で、どうする。