新橋駅の南側を塞いでいた旧国鉄の汐留操車場跡地で区画整理が行なわれ、道路を地下に通して地上に建物をつくる「立体道路制度」ができたことなどによって、環二の計画は1990年頃から動きはじめました。今では移転予定の築地市場跡地を通って、有明で湾岸道路とつながる計画に変身して、マッカーサー道路の部分は地下に潜り、その上では市街地再開発事業による街づくりが進められています(1993年、起点位置および延長の変更、1998年、構造形式の変更および新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業の都市計画決定)。都市計画に限らず、日本の役人(官僚)の頭のなかには、計画に関するサンセットクローズ(「日が暮れたら」、つまり一定期間を経ても計画が進まなければ、自動的に廃案になる条項)がありません。不要になったダムや干拓、河口堰などの大規模計画が、いつまでも店晒しにされて残ります。役所がいったん決めた計画は、当然正しい=必要なものと主張されてきました。役人は自分たちの「無謬性」の神話が崩れて、役所の権威に傷がつくことが許せないのでしょう。「脱官僚」を掲げた民主党の新政権になって、八ッ場ダムや諌早湾干拓などの公共事業の見直しが相次ぎ、各地で大騒ぎになりました。そういうなかでマッカーサー道路は、役所の「計画」が巧みな変身を遂げた珍しい例です。湾岸から都心へ直結する道路としての活用は、確かに1つのアイデアです。あまりに密集した西新橋に、市街地再開発でまとまった空間ができるのもよいかもしれません。失われた40年は戻ってきませんが、役人がやることも偶には「塞翁が馬」(何が幸いするかわからないということ)になることもあるようです。
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