最小の安全基準を作ろうとするから

2011.10.14

昭和三九年の新潟地震の被害に気づいて「液状化」の問題が提起され、昭和五三年の宮城県沖地震で耐震構造の強化が提起されてきた。そこに災害がないとまったく動き出さないというのは、まさに役人根性の典型的な例である。いま、東京にある建造物で、関東大震災にも耐えられたのは、先の丸ビルだけであるといい切ることもできる。たしか、アメリカ人の設計だったはずだ。それほどいい素材があるのに、それを研究しないのは地震学者の手抜き以外の何物でもない。どこかの大きな地震でビルが壊れてはじめて「鉄骨をもっと密に組みましよう」「鉄筋の目を細かくしましょう」というばかり。それで架空の建築基準法を作って、ゼネコン業者を、その法律に従わせるだけなのだ。現在の地震学で、地震の予側はほとんど不可能である。それなら最悪の事態に備えて基準をつくればいいのに、そうならないのは建築業者の経済性を考えて最小の安全基準を作ろうとするからである。

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