「下請けも自分の頭で行動する必要がこれからはあると思うよ」私は仲良くなった下請けの社長連中には、こういう率直な意見を申し上げることにしている。先日もある人に、同じことを言ったのだが、その社長は、「そりゃー、私だって馬鹿じゃないから、考えていますよ。誰だって、義理でしばられるより「力」のある方に付きたいのだから」こんな受けとめ方をされると、私としてはつらい。これじゃ、いつまでも、自立できないよと言いたい気持ちを私は抑えてしまった。
[参考]
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下請けの人と話すと欲求不満になると、ウチの会社の誰かも言っていた。常に、上下関係から離れられない「性」なのだ。気持ちは理解できないこともないが、やはり、どこか引っ掛かるものがある。若い頃から建設一筋、街の建設会社に入ってある程度の技術を身につけてくると、周囲や会社もそれとなく独立を勧める。「どうだろう。ウチの会社もだんだん大きくなってきたし、君もそろそろ独立してみたらどうかな。車や機械はウチのを使えばいいし、会社が大きくなると税金も大変になるのは、君もわかるだろう。もちろん、仕事は下請けとして全部保証するから」こんなことを言われて、誰でも抵抗なく独立する。人を使えば人数分だけ収入が増えるから、できうる限りの人数を抱える。だが、不況で親会社の仕事が減ってくると、労働者を遊ばせるわけにはいかないから、あちこちに声をかけて助っ人で使ってもらう。事実上の人材派遣であるが、こんなことが重なるうちに将来の行く末に不安が出てくる。「このまま、親会社と付き合えるのだろうか」建設下請けの親方はたいていこんな悩みを抱えている。だが、同業者にはこういう悩みは打ち明けることをしない。自分の気持ちをおくびにも出さず、親企業への「義理」で生きるフリをする。しかし、「義理」の中からは何も利益が生まれない。不況が進むに従い「親会社」からの支払いだって滞りがちになる。三ヵ月が六ヵ月になりそれでも「もう少し持ってくれ」ということになる。