郊外の農地を高齢者用の住居、若者用の広々としたセカンドハウスにするという方法の利点の一つは、そこに小中学生の増加が生じないということ、一区画が大きいと道路も従来の長道のままで足りるという点がある。つまり、いまや農地はほとんどがトラクターの通れるように整備されているから、人口集中さえ生じなければ、それほど道路を新たに計画する必要は生じない。これまでの都市周辺部のように、わずか30坪前後の小規模住宅が密集して建つから、道路は混雑し、地価が値上がりしたあと、都市計画道路の拡張のために、貴重な税金を使って再び立ち退きや農地の買い上げに使われることになったのである。また一区画が最低150坪から200坪で、建ぺい率も第一種化専でも最も敢しい30%以下にすれば、田園調布のような緑に覆われた美しい町並みになる。下水も、人が密集しなければ浄化槽方式で十分であろう。かりにこのような形で用地の宅地転用を推進するとした場合、農業関係者や自治体が問題としそうな点について、なお詳しいコメントを加えておく。その1つは、市街化調整区域内の農地の宅地化を無制限に認めるのか否かという点である。これについては、もとより宅地転用を認める場所や面積を各自治体ごとに計画的に設定し、また年間の総転用面積も一定の枠を設ければよいであろう。次に、高齢者を受け入れるということについては、医療費の負担増加などで各自治体が難色を示す場合が多い。そこで、分譲地を販売する場合、あるいはそこに住宅を建てて住む場合、建築確認を許可する条件として、一戸当たり例えば100万円程度のインフラ整備費および医療負担費を徴収することも1つの方法である。単にセカンドハウスを建てるだけで、そこに定住しない場合は負担を軽くすればよい。また法律的な観点からは、都市計画区域と農業振興地域が入り組んでいる農村集落周辺を、集落地区と集落農業振興地域に明確に区分し、整理していくための集落地域整備法、昭和62年に成立した。
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